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心不全

心不全とは

心臓のポンプとしての機能が低下して、全身の酸素需要が満たせなくなった状態です。
むくみ・息切れ・痰がらみのあるような咳が症状として現れます。
また、1週間に1回でも体重測定行うことは大切です。むくみや息切れなどが気になった際に、体重が3kg以上増加していた場合は心不全の可能性がありますので医療機関を受診しましょう。早期発見が大切です。

心不全が起きる原因

虚血性心疾患

狭心症・心筋梗塞のため血流が低下している、途絶している部分の心臓の収縮力が低下してしまう状態です。

弁膜症

弁が狭窄していて、血液を送り出しにくい状態。弁のしまりが悪くで、送り出した血液の大部分が戻ってくる状態。いずれも効率が悪くなります。どちらにしても、結果的に血液を送り出すパワーが低下してしまう状態です。

心筋炎

ウイルス感染に心臓の筋肉が感染し炎症を起こします。その結果、心臓の収縮力が低下してしまった状態です。

不整脈

不整脈により有効な拍出を行える心拍数が少なくなりすぎる状態です。いろいろ不整脈もありますが、寝ている間も、ランニングをしている時のような脈拍数だったりしたら、心臓も疲弊して、収縮力が落ちてしまいます。また、からだ全体は、ランニングしている時のように、酸素がたくさんほしいのに、心臓は40回/分のように、ゆっくりのままであっても心不全になってしまいます。

先天性心疾患

生まれつきの心臓の構造異常で心臓の有効な拍出が保てない状態です。

心筋症

拡張型心筋症に代表される、心臓の筋肉が原因なしに変性してしまい、心臓収縮能力の低下をきたす疾患です。

心臓そのものに病気がない場合

高血圧、貧血、ホルモン異常(バセドー)、アルコールの飲みすぎ、がんの抗がん剤治療、腎臓病などの原因があります。

心不全の予防について

高血圧に関しては、塩分過剰摂取を控えましょう。
また、アルコールの飲みすぎを控えること、過度の肥満にならないようにケアすることが大切です。
朝食前・排尿後に体重測定を行いましょう。1.5kg以上増えていた場合は、その日の食塩摂取量を抑えていくことを意識してください。水を飲みすぎることが注意点であがりますが、ほとんどの場合、塩分の摂りすぎがきっかけになっています。甘いものも塩分ほどではありませんが、水分を摂りすぎるきっかけになります。症状の悪化を感じたときに、一番はやく異常を知らせてくれるのは体重変化であると思います。

心不全を再発させない為に気をつける

心不全は入院をするほどの悪化をきたすたびに、退院時の心臓の状態は悪化していきます。体の水分は少なすぎると脱水になり、心臓は十分に酸素を送ることができません。多すぎてもバネの力が追い付かない負荷になり心不全になります。健康な状態では、この許容範囲が大きいため、飲みすぎたり、カラカラになるほど喉がかわいても、心不全になることはありません。
心不全が重度になってくると、少し水分を摂りすぎただけで心臓のバネが限界に達してしまいます。また、少し少なすぎただけで、脱水で心不全が悪化し入院を必要とする状態になってしまいます。 つまり、心不全で1回入院したらできるだけ体重管理を行い、繰り返しの増悪を繰り返さないことが重要なのです。入院をするたびに、この許容範囲が狭くなっていってしまうのです。

退院後の生活で気をつけること
  • 朝食前に排尿後、体重測定を行うこと
  • 過労をさけること(心臓の許容力を超えた作業は、負担になります)
  • 塩分、糖分、アルコールの過剰摂取を控えること(水の飲みすぎに繋がります)
  • 喫煙は中止(血管が収縮して心臓の負担が急増します)

心不全の検査について

聴診

健常人で聞こえる音はドックンといったものですが、心不全になってくると、馬が走っている音のようなギャロップと呼ばれる音が聞こえることがあります。 また、心不全が進行すると心臓の内腔が拡大して、弁が閉じ切らなくなり逆流性雑音を聴取することがあります。

心電図検査

心不全に特徴的な変化はありませんが、狭心症・心筋梗塞・心筋症などに特徴的な変化をとらえることはできます。

胸部X線検査

心臓の横幅が正常よりも大きくなります。また、肺にうっ血した陰影をみとめることがあります。レントゲンでは、白っぽく見える範囲が多くなっていきます。 この状態になると、苦しさが悪化していきます。

心エコー検査

心臓の収縮力低下を体表から知ることのできる検査です。 弁膜症の有無、壁の厚さ、血流の逆流程度など、心不全の評価には欠かせない検査です。

検査の流れ

息苦しさやむくみで心不全が疑われると、胸部レントゲン・心エコー・採血でBNPなどを測定します。
たとえばレントゲンで心臓が大きくなっており、エコーで収縮力が低下して、なおかつBNPが正常を上回っていれば心不全と診断できます。

心不全の治療について

薬物療法

利尿剤(ルプラック・ダイアート・スピロノラクトン・サムスカなど)ACE阻害薬・ARB・β遮断薬を服用します。入院するレベルになると、強心剤を点滴で使用します。

非薬物療法
NIPPV療法

マスクを着けて酸素吸入を楽にできるように圧力のサポートをかけてくれる治療です。
痰が多い場合は難しいので気管内挿管を行い、人工呼吸器の使用を行います。

CRT療法・心臓再同期療

ペースメーカーの力を借りて、心臓の壁が同じタイミングで収縮できるようにする治療です。

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